「女性取締役ランキング発表 「生え抜き」不在の多様性」43社のリストが掲載されていますが、これを見ると意外な企業名が目に入ってきます。 グローバルに事業展開している企業や、ダイバーシティ経営を謳っている印象がある企業など……。 しかし、このリストに掲載されていない企業では女性取締役が定着しているのかというと、全くそんなことはありません。 現在、東証1部上場企業2191社の時価総額ランキング上位300社の女性取締役のうち、内部取締役は9.9%のみです。 多くの日本企業では、女性取締役はひとりだけ、しかも外部取締役ばかりという現実があります。 コーポレートガバナンスの観点から、取り急ぎ形を整えた印象が否めません。 今年6月、金融庁と東京証券取引所はコーポレートガバナンス・コードを改定し、上場企業に多様性の確保を求めています。 なかでも役員構成における多様性の確保は、議決権助言会社のISSやグラスルイスも注目しています。
また、投資や企業経営の分野でも注目が高まる持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)においても、5番目の目標としてジェンダー平等が掲げられています。
働く女性の数を増やすだけでは、女性活躍が進んだことにはなりません。
同書にある通り、「異質性や異端の排除とむすびついた発想や行動の均質性という日本企業の持つ特性が、逆機能する可能性」や「日本軍同様、過去の成功体験が上部構造に固定化し、学習棄却ができにくい組織になりつつある」ことが、現在の日本企業の大きな問題となっています。
同書を通じて、日本企業の経営にも多様性が欠かせないことが実感できるはずです。