安藤 真由美

「大人の学び」に自己投資するということ

 

皆さんは、「投資」という言葉を聞くとどんなイメージが湧きますか?

株や債券などの金融商品を思い浮かべる方が多いかもしれません。

私は長年ファンドマネージャーとして資産運用の仕事をしていました。

そこで数々の案件を見てきましたが、どんな投資であっても、期待されるリターンに見合ったリスクが生まれます。

リスクがない金融商品は、基本的に存在しません。

しかし、リスクを限りなく低く抑えながら、期待されるリターンを最大化できる投資がひとつだけ存在すると私は考えています。それは「自己投資」、すなわちご自身の学びへの投資です。

 

たとえば、ある程度の金額を払って新たな知識や資格を手に入れれば、それによって昇進や昇給につながるかもしれません。

転職や独立を通じて、収入増やキャリアアップができる可能性もあります。

学びへの投資は、未来へのドアを開いてくれる鍵となるのです。

 

しかし、手元の資金を減らさないよう自己投資を避けていると、ご自身の変化が起こりにくくなってしまいます。

さらに、手元資金の残高を重視するあまり、より安い情報やサービスを探すことに力を入れすぎると、時間やエネルギーをいたずらに消費してしまいがちです。

 

私は現在、コーチとして働いているのですが、自己投資に対する姿勢でその人の人生が大きく変わる様子を数多く見てきました。

以前、同時期にふたりの方が私のコーチングセッションに興味を持って訪れたことがあります。

ひとりはすぐにセッションをスタートし、目標に向けて学びを深め、資格を取って独立起業し、夢を実現されました。

もうひとりは、コーチング料金を支払うことやご自身の学びへの投資を躊躇され、その数年後に会った時に、当時と同じ悩みを抱えていらっしゃいました。

ご相談を受けたときは同じような状況だったふたりが、自分への投資をするかしないかで、数年後の仕事や環境に大きな変化が生まれたのです。

 

学びは、私たちがより自由に生きるための智慧を与えてくれます。

学びを通じて、キャリアや人生そのものを自分でデザインすることが可能になるのです。

そこで大切になってくるのが、学校を出て一度就職した後も、学びと労働を交互に繰り返す「リカレント教育」、いわゆる「大人の学び直し」です。

2019年にエン・ジャパンが実施したアンケートでは、「リカレント教育」を行ったことがある方は47%、学び直しにより「業務の質を高めることに役立った」「転職に役立った」「新たな人脈が築けた」などの回答が寄せられました。

年収が高い方ほど、学び直しへの意欲が高まる傾向も確認されました。

一方、金銭的負担や時間の制約により、学び直しが難しいと考えている方の存在も浮き彫りになっています。

 

日本型雇用慣行のもとでは働くだけで精一杯という方も多く、学校等に通う社会人は決して多くありません。

学びへの自己投資という概念自体が希薄な傾向もみられます。

 

しかし、学ばなければ停滞してしまいます。

どんな形であっても、時間やお金やエネルギーをご自身に投資することで、豊かな人生というリターンが期待できるのです。

 

今、実行したご自身への投資が、この先何十年もの人生を、さらに豊かなものに変えてくれる可能性があります。

人生のハンドルを誰かに任せるのではなく、ご自身で握って生きていくために。

ぜひ、つくりたい未来に向けた自己投資をしてみてください。

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